朝食を済ませたら、荷物をまとめて、いよいよ國立海洋科技博物館のワークショップ会場へ。

 サンゴ礁教育のサンプルとして、サンゴポスターとサンゴクイズ、そしてサンゴすごろくを展示。準備中も、あれこれと質問が来ます。

 まず、科技博物館館長 吳 俊仁さんの挨拶。

 最初の発表は、博物館でのサンゴ礁教育普及活動について、子供達や保護者と共に、編み物で陸上にサンゴ礁を作るプロジェクト。これは、麻夕がとても気に入った活動で、ぜひ沖縄のアーティストと一緒にイベントを行ってほしいと画策中。

 次は、子供達に実際のサンゴを観察してもらったり、地域の漁師さんに話しを聞きに行く珊瑚大探索、サンゴの人生ゲームや生き物探しのポスター、自分がサンゴの暮らしを体験するアクティビティーなど、様々な活動紹介がありました。どれもよく工夫されていて、楽しみながらサンゴの事が学べるようになっています。

 今回のワークショップで、私にとって一番印象に残ったのが、この発表。火力発電所を作るために島と半島の間を埋め立て、火力発電所が撤退したあとに科技博物館が作られたこと。半島の周囲はゴミ捨て場で、海にゴミがあふれていた場所に公園と科技博物館の研究施設を整備し、今では都市から多くの利用者が訪れるようになったこと。そしてこれは、地域の環境問題やゴミ問題を解決した結果ではなく、ゴミとの新しい付き合い方を考え、今も考え続けていると言うこと。

 海に流れ出たプラスチックのごみは、すでに、我々人類がコントロールできる範囲を超えてしまいました。だって、太平洋海ごみベルトには想像もできないような広さでごみが漂っていて、それだけの広さの「小さな波打ち際」の環境が、太平洋の真ん中に新しく出現したってこと。これって、海の環境にとって、ものすごい変化だと思う。
 もうこれ以上、プラスチッックを海に出さないよう、ごみの減量を進めつつ、これからは、ごみとの新しい付き合い方を模索していく時代に入ったと感じます。