土曜日は?那覇市立大名児童館?へ。
「ゆりあげ貝ミュージアム」渚びらきのお話会がありました。
その様子をご紹介しましょう。
普段、子どもたちが思い思いに遊んでいる児童館。
その階段の入り口に案内板が作られて、
2階に上がると、渚の写真と、
たくさんの貝たち。ここだけでも眺めていると楽しい。
そして、お話会が始まりました。
主催の?うてぃーらみや?の方のライア演奏と挨拶の後、
お話いただいたのはゆりあげ貝ミュージアム副館長の名和純さん。
沖縄で、ゆりあげ貝(波に寄せられて浜に打ち上がる貝)がたくさん見つかる
特別な浜と、その貝たちの物語を聞かせてくださいました。
子どもたちも飽きることなく、とても真剣に聞いていましたよ。
スライドを使ったお話が終わったら、あとは思い思いに
テーブルに並べられた貝の標本を見て行きました。
ゆりあげ貝は全部で約1000種類!
そのうちの600種ほどが机に並べられて、壮観です。
与那原浜の、タイワンキサゴ。
この貝にまつわるお話が、スライドの中でありました。
与那原浜は、Mも学生時代に何度も通いました。
調べていたナミノコガイがたくさん住んでいる浜だったんです。
とても細かい砂の遠浅の海で、サンゴ礫の多い沖縄の海辺ではわりと珍しい環境。
そういう場所が好きな貝たちが、とてもたくさん住んでいました。
この標本にあるタイワンキサゴも、他の浜ではほとんど見られない種類の貝でした。
でも、1996年から埋め立て事業が始まり、残念ながらこの遠浅の海は
消えてしまいました。
そして今年の9月、北部の瀬嵩浜で、タイワンキサゴの貝殻を一粒、
名和さんが見つけます。
瀬嵩浜が面する大浦湾も、穏やかなさざ波が打ち寄せ、海底に砂地が広がる独特の環境。
ここでタイワンキサゴが生き延びていたんですね。
というわけで、この貝が「ゆりあげ貝ミュージアム」の館長に任命されました。
展示には他に、触って遊べるコーナーもあり、
さらに、こちらのざるの中の小さなゆりあげ貝たち。
自分で好きなのを選んで、テーブルの標本と見比べて名前をあてることができたら、
その貝をもらうことができるんです!
男の子、自分で貝殻を選んで、どの貝なのかをちゃんと見つけ出し、
見事に種名をあてて、名和さんに名前を書いてもらって受け取っていました。
「貝を見る目」が養われて来ると、ほんのかけらでも、貝の種類を見分けることが
できるようになってきます。?けっこうみんな、夢中になって貝探しをしていました。
名和さんは貝の分類の専門家でありつつ、とても素敵な文章を綴られる方です。
科学的・分析的なだけの言葉ではなく、貝に寄り添い、貝の気持ちを
聞き分けることができる、そんな言葉を紡いでおられます。
ゆりあげ貝ミュージアムは、これからも?大名児童館?に展示されていくそうなので、
みなさんもぜひ足を運んで、貝の声に耳を澄ませてみてくださいね。