ようこそ、沖縄の海辺へ。

カニ類

 

  ミナミコメツキガニ科 Mictyridae

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 ミナミコメツキガニ Mictyris guinotae

 折り畳まれたハサミ脚の向こうに大きな口(第3顎脚)が見えます。
体の前面は殆ど口で 覆われています。
体は球形で、脚の付け根の自由度が高いので、前にも横にも歩けます。
危険を感じると、片側の脚で砂を堀り進み、回転するように素早く砂の中に潜ります。

 まだ濡れている砂を両方のハサミですくい上げて口に運び、
餌となる有機物や珪藻を選り分けて食べます。
第3顎脚が開いているのがわかるでしょうか。
餌をとった後の砂は、団子にして捨てます。

 ハサミ脚の影で見えませんが、甲の側面には空気呼吸のための穴が開いています。

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 ひっくり返して後ろ側から見たところ。
両側の脚を繋ぐように、薄茶色い毛の列があります。
餌を食べながら水分が無くなると、尻餅をつく様にして毛の列を地面に着けて
水分を吸い上げます。砂から餌を選り分けるにも十分な量の水分が必要。
砂から出てきた時も、体に付いた砂を一通り落としたあと、
尻餅をついて水を補給してから歩き始めます。 

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 ミナミコメツキガニが砂を食べたあと

 見渡すかぎりの砂団子。潮が引くと砂から出てきて餌をとります。
砂団子を作りながら、みな同じ方向に移動していきます。
沖縄では、1日に2回潮の干満があり、干潟は毎日彼らによって掃除されています。
引き潮の波打ち際に沿って食べ進み、波打ち際に集まります(右の写真の黒い所)。
写真の左半分は、一面に食べかすの砂団子。 
食べやすい砂のサイズがあるので、生息できる範囲ははっきりとしています。

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 ミナミコメツキガニが地面の下で食べた跡

 地面に出ずに地表直下で餌を食べ、泥団子を地表に押し上げながらトンネル状に食べ進んだ跡。
中は空洞で、左右どちらかの端から深い穴が伸びています。
天気の悪いときや寒いときなどは、地表に出ずにトンネルを掘りながら餌を食べていることが多い。

ミナミコメツキガニは、決まった巣穴を持ちません。潮が満ちる前に深い穴を掘り、
自ら蓋をして、中に空気を溜めます。 直接空気を呼吸している彼らは、
長時間水中にいると窒息してしまうようです。

 

  スナガニ科 Ocypodidae

 シオマネキ類は、泥干潟に穴を掘って生活しています 。潮が引くと巣穴から出てきて、
小さい方のハサミで砂の表面の有機物を砂ごとすくって食べます。口の中で砂と餌を選り分け、
食べたあとの砂は砂団子にして捨てます。
種によってそれぞれ食べやすい泥の粒のサイズがあり、干潟で棲み分けています。

 驚くと、素早く巣穴に戻ります。
雄は、餌を食べ終えると、大きなハサミを振って雌を巣穴に誘います。

 

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 ベニシオマネキ Uca (Amphiucachlorophthalma crassipes

 マングローブ林の一番奥の方の、土がよく固まった辺りに分布します。
雄のハサミはどれも赤いのですが、甲の色は赤から黒まで変異があります。

 

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 ヤエヤマシオマネキ Uca (Deltucadussmieri dussmieri

 マングローブ林内で、土が堅くなった辺りに分布します。
甲は黒く、白い班が2~3出る事もあります。写真は若い個体なので、ハサミがまだ短い。 
雄のハサミは、動く方の指(指節)が白く、動かない方の指(掌節)は、爪先を除き
掌の部分(掌部)にかけて赤茶色。掌部の上半分は黒っぽい灰色。
掌部外面は、大粒の顆粒が覆います。

 

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 シオマネキ Uca (Deltucaarcuata

マングローブ林の縁の方から、開けた場所にも分布。固めの泥が好き。
佐敷干潟では、13年前から分布が拡大しています。
 雄のハサミの指の部分は白い。掌の部分は赤く、顆粒に覆われます。
甲の前半は、白いまだら模様。

 

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 ルリマダラシオマネキ Uca (Thalassucatetragonon

 岩場の、砂溜まりで見られます。泥交じりの砂地が好きらしい。
南方系の種ですが、10数年前から沖縄島でも見られる様になった。 温暖化の影響?
 甲は、輝く様なブルーと黒のまだら。脚は赤から黒。ハサミは薄い黄色。

 

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 オキナワハクセンシオマネキ Uca (Celucalactea perplexa

 マングローブ林の縁から、開けた干潟にかけて、たくさんの個体が群れています。
白いハサミを振る姿は遠くからでもよく見えます。
ハサミは、白い指の部分が、薄黄色の掌の2倍以上も長いのが特徴。
白っぽいハサミが、名前(白扇)の由来となっています。

 

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 ヒメシオマネキ? Uca (Thalassucavocans vocans?

 開けた干潟に棲み、引き潮の波打ち際に沿って餌を食べながら移動します。
潮が引ききる頃には、澪筋に密集する事も多い。
 ハサミは、下半分が黄色く、上半分は白い。
甲の色は白からくすんだ緑色まで、天候や温度によっても変化するようです。

 

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 リュウキュウシオマネキ 左は稚ガニ、右は雄。

 ニッパヤシの根元で発見。小さい時は、鮮やかなオレンジ色です。
南方系のカニで、八重山に分布していましたが、7〜8年前から
沖縄島でも観察できるようになりました。地球温暖化?
ヤエヤマシオマネキと同じ様な環境に暮らしています。

 

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 シモフリシオマネキ

 7〜8年前から沖縄島でも観察できるようになったと言えば、
このシモフリシオマネキも増えて来ました。ベニシオマネキと
同所的に生息するので、今後どうなるか….。

 

続く….

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