スナガニ科 Ocypodidae
ツノメガニ Ocypode ceratophthalma
砂浜を素早く走り回る、大型のカニ。主に肉食らしく、砂浜の掃除屋さん。
名前の通り、眼の上に角がある。雌や若い個体は、この角が短い。
ナンヨウスナガニ Ocypode sinensis
赤っぽい茶色の甲らに、白いW模様がある。ハサミの付け根の上側は、黄色〜オレンジ色。
砂浜の、波打ち際からずっと上の方に巣穴を掘る。
右の写真は、放幼生のため、夜中に出てきた雌。孵化直前の黒い卵が見える。
スナガニ類 Ocypode sp. の小型個体
走り疲れてうずくまり、隠れているつもり。スナガニ類は動きが非常に速く、
見つけても追いかけるのは大変。でも、逃げ足は早いが持続力が無いので、
何度か追いかけると、疲れてうずくまってしまう。
浜に加入したばかりのまだ小さな個体は、じっとしていると砂と見分けがつかない。
暑い昼は巣穴に隠れていることが多く、夜の方がたくさん巣穴から出ている。
白い体色は砂と見分けがつきにくく、ライトを当てると影だけが走っている様に
見えることから、幽霊ガニとも呼ばれる。
スナガニの仲間の巣穴
潮が引くと、閉じていた巣穴を開け、巣穴の補修?を行う。
湿った砂が捨てられているので、この穴の中にはカニがいる事がわかる。
リュウキュウコメツキガニ Scopimera ryukyuensis
左の写真は、巣穴から出てきてこちらを警戒しているところ。
まわりの砂団子は、巣穴を掘って穴から運び出した大きな砂団子。
右の写真は、口の前に砂団子ができている。泥水の水滴が口の前の方で膨らみ、
最後に水分を吸い取られて堅い砂団子となる。
コメツキガニ類の砂団子
巣穴から出て、砂の表面に溜まった餌を食べたあとが、黒っぽく見える。
食べ跡に沿って、食べかすの砂団子が並びます。
食べ跡を拡大すると、小さなハサミで削ったすじが見える(右の写真)。
砂と一緒に餌を食べ、砂だけ吐き出して団子にします。
ツノメチゴガニ Tmethypocoelis ceratophora
巣穴から出てきて、こちらを警戒しているところ。
数ミリのカニで、干潟にたくさんいても目立たちません。
眼の上の、まつ毛の様な突起が名前の由来。
餌を食べながら、時々、白いハサミをチラッと振り上げる。
そのうち、たくさんの個体が同調してくるのがおもしろい。
ヒメヤマトオサガニ Macrophthalmus (Mareotis) banzai
泥水を口に流し込む様にして餌をとるので、潮がひいても水たまりの残る
泥っぽい所に棲んでいます。泥の深い所に多いので、近づく時は足元に注意を。
普段は、水たまりの中からマッチ棒の様に長い 眼だけ出して警戒していることが多い。
温帯域のヤマトオサガニに似るが、求愛の時のハサミの振り方が違うのがきっかけで、
新種である事がわかった。 その名(banzai)の通り、 ハサミを上に伸ばして万歳!する。
近縁種のヤマトオサガニは、ハサミを口の前で上下に動かすだけで、
伸び上がるような仕草はしない。
オサガニ類のハサミは、スパナの様な独特の形をしているのが特徴。
水たまりの中に斜めに巣穴を掘っています。干潟にはたくさんのオサガニがいますが、
普段、ケンカをしている事はめったに見ることはありません。
ヒメカクオサガニ Macrophthalmus (Mopsocarcinus) boscii
オサガニ類の中でも、サンゴ礁の岩場の穴に棲む変わり者。
でも、 イワガニ類と違って、眼は甲の角ではなく中央付近から伸び、
眼の形も短いながらマッチ棒状。甲の模様は海藻色で、じっとしているとわからない。
小型で、サンゴ礁の岩場にたくさん棲んでいます。
続く….