17日、Mが明日の授業準備をする間、Nは浦添市港川のカーミージーの海へ月に1度の 定点調査 に行きましたので、そのご報告。
4月より、いつも利用していた海岸で埋立て工事が始まっています。工事の説明看板の図。
左側が那覇方面、右側にカーミージーの岩がある向きになります。いつも、観察会の集合場所や海へのエントリーに使っていた岩盤と浅瀬の一部が、高架橋の橋脚および国道58号線に抜ける道路との交差点に当たるのですね。
この日は日曜日で工事はお休み。海岸に入ることができました。コンクリートブロックやたくさんの土嚢袋が積んでありました。
那覇側を見ると、向こうから延びてきた西海岸道路の、高架橋が作られる端が見えています。
Nの定点調査では、この工事で周辺の自然環境がどう変化していくか見守るために、工事の始まる前から定点を決めて写真記録を残しています。詳しくは、しかたに自然案内HPをどうぞ?。
さて、岸沿いのコアマモは花をつけています。黄色っぽいツブツブが花。コアマモは少し淡水の混ざるところが好きで、海辺でも河口や湧水があるところにだけ生えているようです。
海草の葉をよく見ると、葉っぱの上に住む小さな巻貝。海草の上に暮らして、海草の葉の上に育つ藻類を食べています。細長いのはハシナガツノブエかな?三角シマシマはイワカワチグサ。
ケブカガニは、ハサミを上げてケンカのポーズ。
岸辺の湧水ポイントには、こうした場所だけに住む生き物もいます。
アーサの上に、きれいなレモンカノコ。殻の色と模様が様々でとっても美しい…
岩盤が工事で割られていました。表面に2つずつ開いている小さな孔は、二枚貝の水管の出入口。
割られたおかげで、普段は見られない貝の姿を見ることができました。ヌノメセミアサリ。
海岸の一部とはいえ、彼らの住処がやがて失われます。
何年も通ったこの場所、地元の方々と一緒にたくさんの活動や話し合いをし、道路計画も埋立てから一部変更して橋梁化になったけれども、この場所の景色はもう変わってしまう。
自然を一部失うことの代償として、新しい道路が本当に人々の役に立つことを願います。
そして、残された海辺の自然が、人々にもっともっと愛され大切にしてもらえるよう、これからも自分たちに何ができるのか考えて、一歩ずつやっていこうと思います。