6月8日 World Oceans Day によせて、ちょっと思っていることを書きます。

私(しかたにM)は沖縄で海の環境教育をやってきて、これから海ごみの問題にもっと向き合おうと思っているけれども、その動機はごく単純に、海が好きだから。

水がきれいで、たくさんの生き物たちが息づく海が。

 

今、海のプラスチックごみの問題がとても注目を集めていて、私もずいぶんFBで記事をシェアしていますが、

中には見るのがしんどいものもあるでしょう。

でも、生物被害で辛いだけの記事はもっとあって、そういうのはあまりシェアしません。

私が見ていられない。

 

もしみなさんが海ごみの記事を見て、辛い、苦しい気持ちになって、「ひどいね」「悲しいね」を押してそれで終わりなんだったら、そんな記事見ないほうが良いです。

見ないで、1日気持ちよく過ごしたほうがずっと良いです。本当に。

 

でも、今度はレジ袋断ろうかな、マイボトル持って行こうかなと思って行動に移してくれるなら、

道端のごみを拾ってごみ箱まで運んでくれるなら、

ビーチクリーンに参加してくれるなら、

海に対して小さなアクションを起こしてくれたことになります。

やったぞ、って気持ちも生まれて少し楽になりますよね。

そして、それが習慣になってくれたら、海鳥やクジラを苦しめるかもしれなかったごみが減っていきます。

「行動」が大事です。

 

 

 

海ごみの問題は重症で、深刻です。完全な解決には、多くの努力と気が遠くなるほどの時間が必要です。

でも、ごみは1つ残らず全て、人間が出したものです。

岸辺に漂着してくれたごみは、拾うことができる。

これ以上、陸から海に流れ出さないようにする努力もできる。

できることはあるんです。

 

自分はポイ捨てしないから、レジ袋やペットボトル使ってもいいじゃん、

と思う人もいると思うけれど、

そうじゃないです。

 

社会の中で当たり前に大量に使い捨てされているから、その中のわずかなパーセントでも環境中に漏出してしまったごみが、今の状況を作っているんです。

そして、ごみの回収処理システムが未発達の国にも、使い捨ての製品や包装材は大量に出回って、ごみの埋め立て地に野積みされ、大雨で流出、みたいなことも起きます。

 

プラスチックは石油製品です。日本は焼却処分を進めていますが、燃やせばCO2が出ます。

温暖化が進めば、サンゴの白化や海洋酸性化も進み、生き物の生きにくい海になります。

リサイクルは、とてもコストのかかる作業です。やらないよりはやったほうが良いけれど、これだけで解決策にはならないです。複合素材とかリサイクルの困難なプラもたくさんあります。技術開発ももっと必要。

だから、世界中で、少なくとも不必要な使い捨てプラをやめていく、そして全体にプラごみそのものを減らしていく必要があるんです。

 

プラスチックは安価でとても便利な素材です。例えば医療系、乳幼児の子育てや介護の場面では今や不可欠でしょう。

そういう場面は無理しないで良いと思います。

それ以外で無理なく、他の素材や方法に切り替えることのできる場面がたくさんあると思います。

見方を変えれば、新しい環境ビジネスの芽もたくさんあると思います。

もう、海ごみにしろ温暖化にしろ、これまで経験したことのない世界に入っているんです。だから、これまでの常識にとらわれずに、新しい発想で、できるだけプラに依存しない社会を作っていきたい。

 

だれか、海で生き物に影響せずにプラスチックだけを引き寄せる磁石、みたいなもの発明しないかしら? (^o^;)

 

 

何か問題を見て、それはひどいと悲しんだり憤っているヒマがあったら、

できることを探していきませんか。

解決に向けた光の方向を見て、そちらに進んでいきませんか。

 

私は、100年後に今よりきれいな海であるために、今できることを考えてやっていきたい。

World Oceans Day, 8th June 2018.