去年の8月?9月は沖縄に台風が何度も押し寄せて

けっこうな被害も出ました。

今年は10月に入ってから、本土に何度も行きますね …

去年、台風の風向き解説の記事 を書いたのですが、

そういえば沖縄と本土では、台風の通る向きが全然違うので、

本土に多い台風進路に合わせて、風向きを考えてみました。

 

これは、台風の目に吹き込む基本的な風向きの模式図です。

風向

 

風を真正面から受けるように立った時、おおよそ右手の方向に台風の目があります。

これは、台風との距離が遠くても近くてもだいたい同じ。

 

沖縄本島ではたいてい、台風は南東から近づいて、西あるいは北西へと

抜けて行くことが多いのですが、

本土の場合は南西から近づいて、

本州に沿うように北西?西北西へと抜けることが多いですよね。

 

JTWC より、台風27号フランシスコの21日の Multispectral Satellite Imagery 画像です。

もし、 この台風の目がC地点を通過するように真っすぐ赤矢印の方向に進んだとします。

台風の進路

 

そうすると、A〜Eの各地点は、台風の、下図に描いたそれぞれの水色矢印上を

通過するでしょう。

台風の風向き

そうすると、各矢印のライン上にあたる台風の渦の向きに、風雨を受けることになります。

衛星画像と組み合わせて、雲の渦の向きと同じ風を受けると思えばいいんです。

 

C地点はずっと南東の風が吹き、目に近づくに連れて猛烈な風になり、

目の中でいったんおさまった後、今度は猛烈な正反対の北西風を受けます。

 

A・B地点は南東風から、台風が近づくに連れて強い東風になり、

やがて北風へと変化します。

 

D・E地点は南風から、南西風から強い西風、やがて北西風に変わるでしょう。

 

で、例えばこの図の場合、B地点とD地点では目に対する距離は同じですが、

B地点は台風の雲が少し薄い場所を通ります。このときは一時的に風雨が少しだけ

弱まるはず。

D地点はず?っと雲が厚い場所を通るので、風も雨もBより強いと思います。

雲の帯によって、風雨が強まったり弱まったりを繰り返すのが台風です。

 

 

沖縄は台風の勢力が強いときに近づくので、その度に被害はあるけれど、

対策も分かっていて、最近の家は鉄筋コンクリートだし、看板のような飛びそうなものは

そもそも外に置かなかったりします。

本土は台風慣れしていないので、瓦屋根やトタン屋根が飛んでしまったり、

看板や木が折れたり … 仕方がない面もたくさんありますが、自分の家も周囲の家も

守るために、分かる範囲で 台風対策 をとってくださいね。

 

本土では、むしろ大雨の方が被害に繋がることが多いですね。

熱帯産の台風が北の冷たい空気とぶつかって、不安定になるのかな。

沖縄よりも雨量が多くなりやすいなぁ、と感じます。

 

 

先日の伊豆大島は本当に痛ましい。

非常時に、やはり住民が頼りにするのは自治体からの情報だと思うけれども、

自治体や警報・避難勧告のシステムの責任 …だけというのも何か違うなぁと思う。

それぞれの立場に必要な役割はありつつ、

自分たちだって、自分の命を自治体に預けているわけではないですよね。

 

暴風雨が吹いてからでは避難はできません。車も動かせるとは限らない。

停電したら、情報もとれなくなります。

古いお家で屋根が危ないとか、高潮、大雨で河川の氾濫や土砂崩れ …

まさか!とか、予想のつかないことって本当にあるなぁと最近感じます。

そういうとき、予報や周囲の状況を見て、もし自分の場所がヤバそうと感じたら、

日中の、まだ暴風が吹かずに動けるうちに、自分の判断を信じて

頑丈な公共施設などに避難できれば良いのだろうな … と思いました。

大丈夫だったら、それはそれでいいじゃないですか、ね。

 

気象庁や自治体の情報はもちろん基本的に大事ですが、

ある程度までは、自分の判断力を養っておくのも必要なことだなぁと思います。

 

気象庁の 台風27号の5日間進路予報 です。

1327-00

気付いたら 台風28号 もできてるし! 1kao10.gif

 

起きてしまう自然災害は受け入れるしかないけれど、

無闇に怖がるのではなく、無防備に高をくくるのでも、あきらめるのでもなく。

最低限、みなさんが自分や家族の身を守る対策をとって、

これからの台風をうまくやりすごせることを願っています。