まず、最初に行うことは、海に行く前に道具を用意すること。用意する物は、先の報告書の「図3.10-2 採取手法検討に用いた用具」を参考にしてください。

 野外での採集用には、幅25cmくらいのちりとりを2個。バケツ、きんぎょ網、小さいタッパーなどの入れ物、そして記録用のカメラ。ふるいやボールは、無くても大丈夫。
 採集したマイクロプラスチックを持ち帰ってより分ける時に使うのが、トレーとピンセット。そして記録用のカメラやメモ用紙など。わざわざ買う必要もないので、身近にあるもので工夫してください。

 次に、浜辺でのマイクロプラスチックの見つけ方ですが、漂着ごみやマイクロプラスチックが多いのは、1)その日の満潮線(海藻などの打ち上げ物がならぶライン:汀線)。
そしてもうひとつ、 2)砂浜の上の方の、植物が生え始めるあたり(台風などで打ち上げられ、植物のすきまにひっかかってる)。
図3.10-4に、浜辺の調査地点の写真があります。

漂着ゴミは、線状に並んでいる。

 いくつかの浜辺で、マイクロプラスチックの量や種類を比べたいのなら、それぞれの浜で、満潮線や植物の近くの場所を探して、調査しましょう。できるだけ、ごみの溜まっている所が狙い目です。

 満潮線では、その日に打ち上げられたマイクロプラスチックが見つかります。植物の近くでは、これまで長い時間をかけて打ち上げられたマイクロプラスチックが溜まっています。だから同じ浜であっても、2つの調査地点では、数も種類も異なります。

 なお、マイクロプラスチックが多すぎて大変だったら、満潮線、あるいは植物の近くの、どちらかの調査地点だけでもOK。

 ここで、浜ごとの違いを比べる時に気をつけるのは、同じ調査地点の間で比べること。ある浜辺は満潮線、別の浜辺は植物の近く、と言った感じで調査すると、比べる事ができません。
 だって、マイクロプラスチックの数や種類が違うのは、
調査地点の環境が違うからなのか、それとも浜の環境がちがうからなのか、わかりませんよね。

中央からやや左下にある、まんまるい半透明の粒が、レジンペレット。

 さて次は、いよいよマイクロプラスチックを集めます。