某所から、漫湖のマングローブ林の伐採についての問い合せがあり、
うちがどうこう言う立場でもないのですが、
とりあえずNがひとっ走り、様子を見に行きました。
最近、車で通る時に見える伐採範囲がすごく広がって、
どうなっているのかな?と気になっていたのですが。
どうやら、もともと開けた河口干潟にマングローブが広がりすぎてきたので、
水鳥の保護区としてえさ場を確保するために伐採しているよう。
今、マングローブ林はかなり幅広く伐採されています。
これはとよみ大橋の上から、左手奥が饒波川、この真下は國場川。
中央部分がばっさり。
これは饒波川側。この岸辺も刈り取っています。まだ根っこは残っている状態。
工事の看板が出ていました。
ラムサール条約湿地でもあるので、渡り鳥のため…ということはあるのでしょうが、
もう1つ、國場川と合流する饒波川の水が、マングローブ林の広がりとともに
下流に流れにくくなっているので、その水路を造る意味もあるらしい。
この後、残されたマングローブ林の根っこごと泥を掘り下げないと、水路には
ならなと思うけれども。工事、どこまでやるのかな。
環境のために良いから、と一時期マングローブ植物の植林がはやり、
そうしたらマングローブ林の広がりが促進された。
マングローブ林は植物が広がることによって土砂の堆積を促し、
干潟や河口を陸地化させる生態系なので、
渡り鳥のえさ場になる干潟が減っちゃった。
だから今度は切りましょう…
う?ん、だから、植林にしろ伐採にしろ、浚渫にしろ埋立てにしろ、
生態系をいじるときは先々の変化を十分に予測して、
やりっ放しにせずに、手入れをしながらその後の変化の様子を見る、
マズいことになる前に手を打てるようにしておく、
という姿勢が大事なのではないかと。
漫湖は、もともと埋立てでずいぶん地形が変化して来た場所。
どの時点の環境を良しとするのか、
鳥、川、干潟、マングローブ、いったい何を大事と考えるのか、
結局はその時々の人によって意見が違ってて、
自然をコントロールしようとしても、まぁ思い通りにはいかないよ、
という例なのかもしれません。