沖縄大学の講義(生物保全II)の最後の方で、「海ごみ問題」を紹介しました。期末テストで「沖縄の生き物を守るために、あなたにできることは?」と問いかけたころ、非常に素直な意見が返ってきました。さらに、海ごみが増え続ける理由も、いくつか見えてきました。環境問題に無関心だと思っていた学生さんたちも、単に知らなかっただけで、問題を知ったことで自分の考えや行動を変えるなど、非常に素直な反応を示しています。

池間島の海岸 漁具やペットボトルが多い

 私の話を聞くまで、学生たちの多くは海ごみ問題をよく知らなかったようです。
普段は整備された人工ビーチを利用することが多いのか、殆どの学生は、沖縄の海岸に大量に漂着する海ごみのことを知りませんでした。同様に、世界的に問題となっている海ごみやマイクロプラスチックについても、その深刻さを殆ど理解していませんでした。
文系の学生がメインなので仕方のないことかもしれませんが、答案にはこんな記述もありました。

 ・プラスチックといえば、ペットボトルくらいしか思い浮かばなかった。
 ・環境問題を聞くと、いつも驚きますが、1分間にトラック1台分のプラスチックごみが海に捨てられているなど具体的なわかりやすい数字を目にすると、その深刻さがかなり伝わります。

 また、これは一般の方々も同じなのですが、「自分が出したごみはリサイクルされているから問題ない」と思っている学生が多いこともわかりました。何気なくポイ捨てしても、プラスチッックは紙と同じく野外で分解されて自然に還るとも思っていたようです。そしてそこからは、食品の包装や容器は使い捨てが当たり前との認識も見えてきます。

 ・全人類がポイ捨てをしないことは、絶対無理だと思うので、ポイ捨てされても自ら自然に還る商品が増えると、海ごみ問題の減少につながると思う。

 環境問題について、学生たちは興味がなかったり、誰かに任せることを考えたり、めんどくさがったりするのかな〜と思っていたのですが、喜ばしいことに、大多数の学生は、海ごみ問題を知ったことで使い捨てのプラスチックごみについての意識が変わり、自分の暮らしを見直してくれました。問題解決のために自ら変わり、プラスチックごみを減らす行動を実践し始めた学生もいました。答案には、素晴らしい考えや気づき、行動ががたくさんありました。全てご紹介するのは大変なので、その一部を以下のページに載せます。

 なお、今回の答案を読み、海ごみの問題を伝えることで意識が変わり、使い捨てプラスチックを減らす方向に、それほど抵抗なく行動が変わることがわかりました。次は、使い捨てプラスチックの代わりになる「もの」を、いろいろと提供できたらいいな〜と考えています。