漂着物編 の続きで、今日はいきもの編。
台風の波に洗われてしょぼしょぼしたグンバイヒルガオ、
その上の段に打ち上げのごみがたくさん溜まっています。
この海浜植物たち、前日の朝の満潮時には思いっきり荒波をかぶったはずなのに …
もう、しっかり花を咲かせているじゃーありませんか。
彼らの生命力の強さを見せられた気がします。
そう、もともと台風の来る沖縄の浜辺で根付いてきた植物たちですものね、
一度の台風で全部やられてしまうなんてことは、全然ないのでしょうねー。
ハマゴウにも花が! 花は可憐だけれど植物体は強いんだなぁ。
動物も負けてはいません。
ミナミスナガニやツノメガニなどの巣穴、ちゃんと砂浜に掘られています。
荒れている時は、深くもぐってしのいでいるのかしら。
ヤエヤマスダレが打ち上げられていたので、これは干潟の潮だまりの方に戻しておきました。
オカヤドカリたちはたくさんいました。打ち上げごみのあたりでも、潮の引いた干潟でも
たくさんの個体がごそごそ。
台風時は出歩けないでしょうから、静まってからエサを探しに出ているのかもしれません。
一体、台風の時はどこにかくれているのでしょうねぇ。
これはムラサキオカヤドカリのこどもかな。触覚がはみ出てるよ?。
ヒメシオマネキもいました。なかなか立派なハサミのオスです。
あの荒波を、砂中の巣穴に潜ってよくやり過ごせるものだと感心。
浜を歩きながら、やっぱりごみが気になって、せめて手持ちのビニール袋に入るだけはと
ごみを拾って歩いたんですが、
あ、白いビニール?、と思って良く見たら違った。
これ、よく岩の裏側に付着している、大型の巻貝類の卵嚢です。
たぶん卵は孵った後で、卵の入れ物の袋の部分が、岩からはがれて流されたのでしょう。
大きな岩の上には、コンペイトウガイが何事もなく?住んでおりました。
人間は、台風の度に停電になって困ったり、浸水被害を受けてしまったり。
被害に遭われた方々は本当に大変だろうと思いますし、自分も被害に遭いたくはないけれども、
直接、非常に大きな影響を受けているはずの、海辺の小さないきものたちが、
台風の翌日、もういつものように過ごしているのを見ると、
環境への適応力って、すごいなぁと思います。
もちろん、台風で流されたり死んでしまう個体も、実はたくさんあるのかもしれないけれど。
でも、頑丈な家や堤防を築く人間が、こうした自然現象でそれでも被害を受けてしまうのは、
環境が荒ぶることもある海ぎわや川べりに、道路や家を近づけすぎているのではないのだろうか …
自然環境とうまく適応・調和・共生したまちづくりって、どういうものなんだろうと、
いろいろ考えてしまいます。
台風被害に遭われた方々の、早い復旧をお祈りしつつ。