先日の港川小の「カーミージー探検隊」調べ学習のときに、

ナマコは卵を産むのか?という質問がありました。

そこで、ナマコがどうやって産卵するのか説明したら、みんなびっくり。

 

ま、ふつう知らないですよねー。

2009年4月に、Mは偶然、海中でトゲクリイロナマコが放精する場面に遭遇しました。

その様子を、しかたに自然案内のサイト内で動画でご紹介しています。

こちら?をご覧くださいませ!

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場所は、沖縄島北部東海岸の海草藻場。

この頃、2ヶ月に1回、スノーケルで写真を撮って回る調査をしていました。

そうしたら、普段は砂に半ば埋もれて隠れているはずのトゲクリイロナマコが、

やけに目立って外に出ている。しかも、何個体も近くにいる。

おかしいな … と思っていたら、

あーっ、体を持ち上げている!

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これは放卵放精のポーズ!

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Mも、それまで写真や映像でしか見たことがありませんでした。

しょっちゅう海に潜る人でも、この瞬間に立ち会える機会は少ないんです。

 

ナマコは外見では区別できませんが、雄雌があります。

通常、まず雄が先に白い煙のような精子を放出し、その匂いを感じた雌が次に卵を放出して、

水中で卵と精子が受精して、ナマコの赤ちゃん … 親とは全く形の異なる

プランクトン幼生が誕生します。

 

半身を持ち上げた個体を観察していたら、口の上側の、ちょうどおでこ?にあたる

部分から、煙のようなものが吐き出されてきました。

これは雄!精子の煙です。

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精子や卵を出す生殖口がこんなところにあるなんて、面白いですね。

もやっとしているあたりが分かるでしょうか。

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ちょうどてっぺんの部分です。もやっとした精子の煙を出しています。

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本当は雌が卵を放出するまで見ていたかったのですが、

まだ周囲の写真を撮って回りたいし、海から上がる時間も決めてあるし、

あまり長くここに居続けられない … ということで、

産卵の確認まではできませんでした。

 

この年は、6月に同じ場所で、ある種のウミウシが周囲に15?20個体くらい

集まっているのも発見しました。

ふつう、同じ種類のウミウシが多数集まることはなく、

これも繁殖行動なんだろうと思いました。

 

生きものたちが豊かに暮らす素晴らしい海、

ずっと大事にしていきたいですね!