息継ぎに1日おいて、MとNは今日も海を歩きます。

珊瑚舎スコーレの昼間部の生徒さんたち、いつもは夏の終わりにキャンプをするのですが、

今年は日帰り観察会にしたい…とのこと。でもせっかく1日使えるのなら、ちょっと遠出を

しましょうか…ということで、やってきました備瀬崎へ。

きょうはまた、海遊びには最高のお天気!?3shizen01.gif

 

本部半島と伊江島の間は航路になっていて、みんなが到着する前に海を見ていたら、

大きな貨物船がタッチューの前を通り過ぎて行きました。

 

さて、スコーレのみんなが備瀬崎に到着してお弁当を食べたら、早速観察会。

今日のミッションは、備瀬崎一周!…とさっき勝手に決めました。?1kao01.gif

お天気もいいし、今日の干潮ならきっと行けるはず。

 

3時間がっつりコースの始まりです!

 

浜を出てすぐの砂地で、キケン生物に遭遇。ハナブサイソギンチャクです。

知らないと海藻のように見えますが、毒がとても強く、さわるとひどく痛い種類。

だから浅瀬といっても肌の出るサンダルで歩いてはいけません。

 

でも、だからこそ?カクレエビの仲間が共生しています。イソギンチャクエビ。

たいていペアです。

 

でね、このハナブサくんを棒で突っつくと…

 

ズボッ、と一瞬のうちに砂煙を上げてイソギンチャクが砂の穴に引っ込んでしまいます。

今日はいつもよりたくさんハナブサを見つけたので、そのたびに突っついてみたのですが、

…なぜか引っ込まないのが結構いました。

おかしいなぁ…と思っていたのですが、後で納得。

細かい砂の堆積が浅いんですね、ここは。わりと礫が多く混ざって、おまけに海草の根も

よく張っていたり。

細かい砂が厚く積もった海底では、砂中に埋もれた岩などにイソギンチャク本体の足を

付着させて、それをアンカーにしてズボッと体を引っ込めるのですが、ここでは砂が浅く、

本体がそこまで深く潜れないんだ?。

ちなみに、イソギンチャクを突っついた棒の先には有毒の刺胞が付着しているので、

そこを手で触ったりしないでね。

ま、とにかく、備瀬の砂地にはハナブサ君が増えているようなので、

遊びに来る方はお気をつけ下さいまし。

 

さて、備瀬崎一周は左回りが安心。浜から浅瀬を渡って岬側の岸に着いたら、浜との間の

水路を外に抜けます。

この水路は深いし、満ちてくると水の通り道になるので、潮の引いたうちに渡っておく

のが良いでしょう。

 

水路を抜けた先は、とても広いサンゴ礁の礁原。気持ちいい!

 

こういう礁原は、クモヒトデ、ヒトデ、ナマコにウニ…棘皮動物天国です。

シカクナマコの裏側に、黒いウロコムシ発見。ペラペラしたゴカイの仲間、と言いましょうか。

 

このタカラガイは、多分まだ少し若い個体。クチムラサキダカラ?…

 

岬の先の方まで来ると、景色が急にごつごつして来ます。

 

備瀬崎や伊江島タッチューは、火打石にもなるチャートという岩石の地層が隆起している、

地質学的にちょっと面白い場所なんです。

その、チャートの岩場をみんなで渡ります。

 

見上げれば灯台と、拝所の鳥居。

 

実は今回、岩波書店の記者さんがスコーレの取材で同行されていまして、何名かの生徒達と

一緒にこの鳥居まで上りました。

眺めが良いので、「ここで記念写真を撮りませんか?」と提案してくださったのですが、

「…こういう御嶽のある場所で写真はやめた方がいい」との生徒の一言で、あえなく却下?1kao09.gif

生徒たち、沖縄の文化をよく尊重しています。

私は鳥居を外からと、足元の植物だけパチリ。多肉系でかわいい。

 

灯台を回り込むと、こんな奇岩の光景。みんな、火打石になる手頃な石を少しだけ採集。

 

そして岬の内側に戻ると、平坦な海草藻場が広がっています。こっちも広々?

 

石をひっくり返したら、縞模様がおしゃれなコグチクモヒトデ。

 

小ぶりのハタゴイソギンチャクに、よく探したら1cmくらいのカクレクマノミ!?3shizen28.gif

 

藻場に来たらこれをしなくっちゃね、と、海草をちぎってトゲアナエビ釣り。

 

本当にほぼ3時間で、無事に備瀬崎一周してきました。お疲れさま!?1kao02.gif

最干潮時刻が灯台のあたりだったのですが、帰りの時間はまだ潮がよく引いていたので、

ここの地形は潮の動きが潮位表よりも遅めかもしれません。

ともかく、良いコンディションでたっぷり海を楽しめて、良かったです。

後期の自然講座も、みんなよろしくね!