泡瀬干潟を歩いてきました。
浜に下りる階段に、めずらしい住人。
貝殻の取り合いをしてたコムラサキオカヤドカリ(天然記念物)の小型個体。
こっちに気付いて、あとずさり。 つぶらな瞳。 まつ毛がチャーミングです。
干潟に出ると、点々と穴が….。コメツキガニの巣穴です。こちらもまつ毛で目元パッチリ。
干潟は泥だらけで、生き物なんて何もいないようにみえるけれど、
それは、私達が生き物の暮らしを知らないだけ。
干潟の表面をよ〜〜〜く見ると、生き物のくらしのかけらを見つけることができますよ。
浅い水たまりには、なんだかベロベロ動くものが….
右上の巣穴から、左下に向かって何か伸びてるのがわかりますか??
これは、タテジマユムシが吻を伸ばして、干潟の表面に溜まった有機物を
砂ごと運んで食べているところ。胴体は深く潜ってるので、なかなか見られません。
ちょっと歩くと、砂の表面に何か這ったようなあとが….
足跡を追いかけると、タマガイの仲間(ホウシュノタマかな?)が歩いていました。
この貝は肉食で、二枚貝や巻貝をつかまえて、貝殻に穴をあけては
中身を食べてしまいます。小さな丸い穴の空いた貝殻を見つけたら、
それはこの貝の仲間に食べられて死んだ貝なのです。
干潟の砂の表面には、所々に小石や転石があります。
石をひっくり返して見ると、貝やカニや魚が隠れていますよ。
よく見かけるのは、タカラガイの仲間。
これは、オレンジのラインが花びらのように見えるハナビラダカラ。
このクモギンポも、石の下に隠れていました。
なお、石は彼らの大切な隠れ家。ひっくり返して観察したら、
必ず、元にもどしておいて下さいね。石の裏側には、生き物のタマゴなんかも
産みつけられているので、そのままでは干涸びて死んでしまいますから。
カニは、石の下に隠れている種類だけではありません。
手頃な穴が空いた小石があれば、穴にかくれつつ石を引きずって歩くカニもいます。
スエヒロイボテガニの仲間は、ヤドカリのように、住処の石を持って歩く
変わったカニです。
穴の中から、片目だけでこちらの様子をうかがってますね。
穴の周囲が白く見えるのは、自分の大きさに合わせてハサミで入り口を削った証拠。
さてさて、夏ももうすぐそこまでやってきています。
駐車場とトイレとレストランとBBQセットが完備された人工ビーチもいいけれど、
誰もいない静かな地元の海も、じっくり見れば新しい発見がた〜くさんあります。
日焼けと熱中症対策をして、のんびり海辺を歩くのも楽しいですよ。