今日は朝から断続的に大雨。
南城市には、大雨(土砂災害、浸水害)・洪水警報と、雷注意報が出ています。
奥武島を取り囲むイノーの海は、陸から流れ出た赤土で茶色く濁り、
サンゴ礁のさらに沖は、雄樋川からの濁った水がずっと遠くまで広がっています。

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 外に出られない日は、スキルアップ?のための読書。
最近気になるのが「聞き書き」です。
先日、Mが参加した「全国アマモサミット2016 in備前」でも、
この「聞き書き」による地域人材育成の効果が最大限に発揮されていました。

 

 「聞き書き」では、古くからその地域で行なわれて来た自然の利用や
暮らしの仕組みについて、地元の方と対話しながら記録していきます。
海や山など、それぞれの地域の伝統的な利用方法を集め、再認識することは、
そこ独自の自然環境や地域社会を持続的に保全する取り組みにつながります。
 若者がお年寄りに「聞き書き」を行なうことによる世代間のコミュニケーションは、
共感を生み、人々の心を動かし、地域の人材育成に大きく役立っているようです。

 私達は普段、学校や観察会で海の生き物や自然のお話をすることが多いのですが、
現代の人の暮らしと海の自然との関わりの一般論は説明できても、
地域毎に異なる沖縄の海の利用や文化については、殆ど何も知りません。
海を保全しながら利用するには、地域独自に発達した”じんぶん”を集め、
伝えることが、今後さらに重要になってくると考えています。

 そこで先日、沖縄大学の盛口先生から「聞き書き」に関する資料や書籍、
論文等を紹介していただき、少しずつ読み進めています。
盛口ゼミでは、以前から石垣島の白保の方々と協力して環境学習に取り組んでおり、
その報告書「石垣島白保における環境学習の実践・暮らしと文化の調査についての
5年間のとりくみ(2011年度ー2015年度)」の中にも、学生さんによる授業報告とならんで、
地元の漁師さんや船大工さん、植物利用に詳しい方や、地元料理が得意なお年寄りからの
聞き書きの事例が紹介されています。 古い地名や行事、自然から得られる食べ物など、
興味深いお話がたくさんあります。

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 今後は、地域の海を守るために、海辺の生き物の情報だけでなく、
それがその地域で昔からどのように利用されてきたのか、
地域の文化とどんな関わりがあったのかも含めて、
子ども達に紹介できたらいいな〜、と思っています。