沖縄こどもの国主催のカニの観察会が泡瀬干潟で行われ、
講師として参加してきました。

 まずは、干潟で出会う危険な生き物のお話と、
干潟の生き物の暮らしについて、暑いので簡単に説明。
服装(帽子とくつ)と持ち物(水筒!)の確認をしてから、
ゆっくりグループと遠くまで行くぞグループに分かれて、出発。

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 今日もいいお天気。暑すぎるからか、ミナミコメツキガニは
トンネルを掘りながら餌を食べたようで、干潟の表面に出歩いている
個体はいません。普通なら、遠くからでも黒いかたまりに見えるほどの
集団で歩いているのですが…。

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 砂の表面が黒っぽく見えるところは、
ミナミコメツキガニが砂と一緒に餌を食べ、
いらない砂を砂団子にして捨てた場所。
毎日ものすごい数のカニが、干潟で餌をたべてます。
ミナミコメツキガニが食べている場所の真ん中に、

なぜかぽっかり空き地があって、ここではコメツキガニが
食事をしています。歩いてみると、ここは砂が締まって硬い感じ。
カニたちは、自分のくらしやすい場所に住んでいるんです。

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 干潟には、大小さまざまな山やくぼみがあります。
そのほとんどは、そこで暮らす生き物が作ったもの。

上の写真は、ギボシムシの仲間が餌を食べたあとです。
右のくぼみは、砂と一緒に餌を吸い込んでできた穴で、
左の山は、餌を濾し取ったあとの砂をすててできた砂山。
砂山の色が灰色なのは、地面の少し深いところの砂は黒いから。
深いところの砂を食べているのがわかります。
こうしてみると、けっこう長い個体ですね。

 干潟の生き物の多くは、地面の下、砂の中に暮らしています。
アサリの仲間の二枚貝は、水中のプランクトンなどの餌を濾しとって食べ、

水をきれいにしてくれてます。
カニやギボシムシのように砂を食べて、砂の中の栄養分を吸収し、
いらない砂を砂団子やうんちにして捨てる生き物もいます。
砂を食べて、砂をきれいにしてくれているんです。

 さらに、カニやゴカイが干潟に巣穴を掘ることで、
干潟は耕されます。潮の満ち引きによって、
巣穴には新鮮な海水や空気が出入して、
干潟が腐らないようになっています。
私たちが川に流した汚れは、分解されながら干潟に流れ込み、
干潟の生き物たちによってさらに分解・吸収されます。
つまり干潟は、大きな浄化槽の役目をはたしているんです。
 この干潟がなくなると、汚れは直接サンゴ礁に流れ込み、
海が濁ってサンゴは生きられなくなるでしょう。
もちろん、干潟の生き物はすべての汚れを吸収できるわけでは
ありませんから、これ以上の汚れを川に流さないよう
私たちは気をつけなければなりませんね。

 さて、1時間半、しっかり干潟を観察してきました。
さすがにちょっと、つかれたね〜。

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 みなさん、今日はゆっくり休んでね〜。