9月に入り、朝夕が涼しくなってきましたね。
6〜7月の暑さで白化していたサンゴがどうなったか、
9月の定点調査のついでに沖の方まで歩いて確認してきました。
8月から、海に出るには、新しい道路下の通路を通って、
カーミージーの岩の方まで行かなければならなくなりました。
通路やその周囲には、オカガニの死骸や殻が散乱しています。
カニが通路に迷い込み、暑さや乾燥で死んでしまった感じです。
岸辺を歩いていると、地面の穴から水が一定間隔でリズミカルに噴き出していました。
穴の中をのぞくと、タコでした。穴の奥から水が棒状に伸びているのがわかりますか?
浅い潮溜まりでは、ミナミイワガニが脱皮してました。
脱皮したてで殻が柔らかいのか、近づいても逃げません。
茶色い脱皮殻と本体の大きさがあまり変わらないけれど、
もしかして夏バテ?で大きく成長できなかったのかな??
今まで海に出ていた辺りの海岸には、準絶滅危惧種のルリマダラシオマネキがいます。
すぐ側で排水路道工事が始まり、汚濁防止幕や土嚢が、すぐ隣まで迫っています。
今日の海は、とてもいい気持ち。涼しい風が吹いて、青い空には白い雲。
水面に、白い雲が写り込んでいます。
浅いイノーの中は、お湯のような暖かさ。でもあちこちに冷たい湧き水があり、
冷たい潮溜まりにはそこだけ小魚が群れています。
そして、それを狙うカサゴの仲間が、岩に隠れてじっとしていました。
よく見ると、お腹がパンパン! たくさん食べたのか、卵をもっているのかな?
浅いイノーでは、サンゴやイソギンチャクが白化しています。
イソギンチャクの触手は糸のように細く、栄養が足りていない感じです。
浅い藻場では、海草がまだらに枯れている箇所もありました。
よほど暑かったのでしょう。
イノーの沖のリーフエッジまで行くと、少し大きな潮溜まりがあって、
白化から回復しつつある?ハマサンゴの仲間がみられます。
この沖には数mほどの深さのイノーがあって、エメラルドグリーンに輝いています。
さらにその沖の、ず〜っと向こうに見える青いところは、
サンゴ礁の外側の深い海。
海草藻場を歩いていたら、クモガイを見つけました。
最近は、年寄りの個体が取り尽くされてしまって、
トゲが伸びたばかりの若い個体の比率が高いのですが、
これは何年も生きて来た個体のようです。
藻場では、こんな貝も見つけました。ハート型の、アオイガイの仲間です。
彼らも、サンゴと同じく体内に褐虫藻を持っていて、
褐虫藻が光合成で作った栄養を、分けてもらっています。
だから貝殻は、光を受けやすいように、葉っぱのような形に進化したのでしょうね。
岩場を歩いていたら、赤い目がかっこいい、イワオウギガニが隠れていました。
このまま涼しくなって、生き物がもっともっと増えてくれるといいな〜。