梅雨が明け、日差しが強くなって来ました。
マイクロプラスチック化は、紫外線に加え、生物による物理的な破壊も大く影響しているようです。

1月に実験を開始してから、すでに6ヶ月が経過しました。

ウレタンのスポンジは、もうほとんど残っていません。この1ヶ月で、一気に崩壊しました。

ポリプロピレンPPの白い荷造り紐は、さらに劣化して毛羽立って来ました。PPは、紫外線の劣化に弱いようです。薄いシート状のPPを縒り合わせたこの紐は、ポリエチレンPEの緑の紐と比べて、明らかに早く劣化しています。

メラミン樹脂のスポンジのブロックは、表面の劣化が目立って来ました。梅雨の期間中には、カタツムリ類が多数歩き回っていたので、かじられた影響もあるかもしれません。

こちらのグループは、紙コップと、ペットボトルのラベルの劣化が激しくなってきました。

紙コップは、表面のプラスチック・コーティングがカタツムリ類にかじられて、内部の紙が露出しています。よく見ると、紙を含んだ、カタツムリの白い糞が付着しているので、紙もかじられています。

ペットボトルの本体は目立った変化はありませんが、ラベルは割れて無くなってしまいました。1ヶ月前はひび割れた程度でしたが、浜辺に打ち上げられたボトルと同じレベルまで劣化しています。

瓶入りのグループは、瓶の蓋が錆びて来ましたが、プラスチックについては、目立った劣化は見られません。でも、これからさらに気温と紫外線が強くなり、プラスチックの劣化が進むと思われます。

今回気になったのは、カタツムリなどの生物による破壊の進行です。今はまだ表面が硬くて、カタツムリ類にかじられてしまうことがないプラスチックでも、やがて劣化が進めば、脆くなった表面部分はカタツムリに齧りとられてしまうかもしれません。そうなれば、マイクロプラスチックとして、直接動物の体内に取り込まれることになります。

建物の壁をはじめ、野外に設置された構造物のほとんど全ては、表面に塗料やコーティング(これらもプラスチック)を施してあることを考えると、生物によるマイクロプラスチックの生産も、相当な量になるのではないかと考えられます。