今日は7月4日、アメリカ独立記念日、

じゃなくって(いやそうですけれども)、

旧の5月15日、満月です。うーとーとー。

 

で、夕方から大度海岸に来ております。

夏の満月の夜は、オカガニやオカヤドカリが卵を抱えて波打ち際まで下りて来る、

彼らにとっては「放幼生」という一大イベント。

それを観察しに行きました。

 

珊瑚舎スコーレのメンバーと、Mの友人ご家族に声をかけて、みんなで明るいうちに

崖下の観察ポイントへ。

 

すでにオカヤドカリたちが岩のかげに少しずつ集まって来ています。

これは小型のナキオカヤドカリ。どうやら下りて来たメス(下の貝殻にいる)を

待ち構えて交尾しようと迫る、オスのようです … 。

 

濃い茶色で左手のハサミが大きく丸っこいのは、「オカヤドカリ」というオカヤドカリ。

 

紫色のはムラサキオカヤドカリです。

 

カタツムリの殻に入った2匹、なにらや相談中?

今日は人が多いねぇ、とか …

 

だんだん日が沈んで、岩山が赤く染まります。

 

実はOTVさんの取材も入って、Nがお話をさせていただきました。

<業務連絡> せっかくカメラを回しながら

「このヤドカリが入っている貝殻はなんの種類ですか?」

と聞いてくださった宮城さんへ。すみませんとっさに答えられなくて…?1kao17.gif

あれはオキニシの仲間だと思います!

 

そうこうするうちに、暗くなった浜をふと振り返ると …

うぉっ!というほどのオカヤドカリたちが、ぞろぞろと波打ち際目指して下りてきました。

砂の上に点々としているのが、みんなそうです。

踏まないように気をつけないと、歩けません。

 

いよいよ、本日の放幼生のピーク、ということで、

これから海に行く個体は脅かさないよう、ライトの光を直接あてないようにし、

(そのため写真はありません?あしからず。)

水の中に入ったら、もう明るくしても逃げずに幼生を放つので、みんなでそれを観察。

 

ちょっと失礼して、放たれた幼生を観察してみました。

 

おおー!たくさん泳いでいます。オカヤドカリのゾエア幼生です。

みんなにファーブル(携帯型顕微鏡)で見てもらったら、

メダカみたい、という感想が多かったです。?1kao09.gif

2つの目がはっきりしていて、体はまっすぐだからかな。

 

満潮の波はけっこう強くて、オカヤドカリたちは波にコロコロと転がされてしまいます。

それでもがんばって波の中に入り、体をゆすってお腹に抱えた卵の孵化をうながし、

たくさんの幼生を海に放つ …

 

放幼生から戻って来たオカヤドカリ。お疲れさま!

 

オカガニも、卵を抱えて下りてきました。

これも、無事に幼生を放って戻って来たところ。体が波に洗われ濡れています。

 

何度見ても、彼らの生命の営みはすごいなぁと思わずにはいられません。

彼らの生活史が全うできるような、陸と海とを結ぶ自然環境のつながりが

いつまでも豊かに保たれることを願っています。