WIRED というサイトがありまして、
そこに、こんなタイトルの記事が出ています。
初めてこの手の話を見聞きする方にとっては、
おそらくかなりショッキングかも … しれません。
悲しい記事です。
でも、知ってほしい。
映画「Midway」。 ↓クリック↓ で予告編が見られるサイトに飛びます。
この作品のカメラマン、Chris Jordan さんのサイト でも、写真が見られます。
この映画、日本でも見られるのか、よく分からないのですが。
Mが最近、環境学習で海の話をするときに、
海岸のごみの話をしてください、と言われることが多いんですね。
それで、
海岸に落ちているごみにはどんなものがあるのか、
それはどこから来たのか、
そのままそこにあるとどうなっていくのか、
そして、沖縄のごみはどこへ流れて行くのか、
そういうお話をします。
人口の多い、沖縄の中南部の海岸には、沖縄に住んでいる人や、
そこを訪れた人が捨てて行くごみがとても、とてもたくさんあります。
こうした場所では、海岸のごみ = 漂着ごみ、では決してありません。
でも、漂着ごみもたくさんあります。
北部や離島の、人が訪れることの少ない海岸や、ビーチクリーンが行われない海岸には、
長年の漂着ごみがたくさん溜まって行きます。
そういう場所では、中国、台湾、韓国の言葉の書かれたごみがたくさん見つかります。
そうすると、そういう国々を非難したくなります。
でも、そうじゃない。
沖縄からも、日本からも、
ものすごくたくさんのごみが、
海に流れています。
こうしたごみは、黒潮に乗って、
太平洋の沖に押し流されて行きます。
それはやがて、太平洋の真ん中、
ミッドウェー諸島や、ハワイ諸島の北側の海域に流されて、
集まって行きます。
世界の大きな海流は、赤道をはさんで北半球と南半球で
それぞれぐるぐると循環していて、
その真ん中の海域に、漂流ごみの「ごみ溜まり」ができてしまうのです。
ミッドウェー諸島は、海鳥たち … 特にアホウドリの楽園です。
海鳥は、小魚を丸呑みします。
私たちのように、噛んで味わうことがありません。
丸呑みしたエサの一部は、そのまま幼鳥に吐き出して与えます。
幼鳥も、丸呑みです。
海面にぷかぷかと浮かんで流れるプラスチック片は、
空から見たら、きらりと光る小魚とよく似ています。
なのでアホウドリたちは、急降下して丸呑みします。
飲み込まれたプラスチック片は、消化できずに胃袋に溜まります。
それは胃袋を傷つけるし、ごみでぱんぱんになった胃袋には
それ以上のエサが入りません。
そして、大量のプラスチックごみを胃袋につめこんだまま、
傷つき、餓死してしまいます。
それが、太平洋の真ん中の、人のいない美しい島で起きている、現実。
3.11では、大津波により大量のがれきが海に流れ出しました。
この、大量のがれき … 本当は人々の暮らしを共にしてきた大切なものたち … も、
今、太平洋を渡りつつあります。
一部は既に、アメリカやカナダの西海岸に到着しています。
今後何年も、太平洋のごみ溜まり海域を漂い続ける?でしょう。
from:?ICRP Quarterly Reports; Summer 2011 “Projecting the Path of Japan’s Tsunami Debris”
今、海に流れている漂流ごみを全部片付けるのは、海域が広すぎてほぼ不可能。
津波で流されたがれきは … 止めようがなかった。
でも、普段の暮らしから、これ以上、海に流すごみを減らして行くことなら、できる。
そう思いませんか。
根本的に、ごみが出ないしくみの社会を、もっと本気で考えていきませんか。
そして、海に遊びに行くことがあったら、
ひとつでもふたつでもいいから、
小さいかけらでも構わないから、
ごみを拾って、おうちのごみ箱まで運んであげてくださいね。
お魚が、鳥たちが、それでほんの少し、助かるかもしれないから。
ちょっと重たい話に、おつきあいありがとうございます!?