22日は旧の6月15日、23日未明に満月。もちろん大潮。

というわけで、23日の夕方、マングローブEEクラブ さん主催の

オカガニ観察会に呼ばれて、宮城島へと行ってきました。

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オカガニやオカヤドカリの放幼生(ほうようせい)を観察できるのは、

初夏から夏にかけての満月の前後数日。

大潮にあたるので、夕暮れ時が満潮時刻になります。

その時間帯に合わせて、お腹に卵を抱えたオカガニやオカヤドカリが

山から下りて来て、波打ち際で赤ちゃん(幼生)を海に放つのです。

 

これを観察するため、海中道路を渡ってやって来ました宮城島。

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今日のメインガイドはNが務めます。

外では声が通りにくいからと、

主催のHさんが用意してくださったマイクを頭にセットし、

スピーカーを腰に巻いて … スイッチを押すと変身できそうと笑う。icon_mrgreen.gif

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へぇ?こういうの初めてだ?

 

日が落ちてきました。

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夜7時に参加者のみなさんが集合。でも外はまだ明るいです。

階段護岸に座って、挨拶と観察方法の説明をしたあとに、

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砂浜の方まで歩いて移動。

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砂の上には、前日についたであろう、カニの足跡がたくさんありました。

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オカガニは、もうちょっと暗くならないと浜に出てきません。

先に見つけたのは、カクレイワガニ。

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これもお腹にたくさん卵を抱えています!

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そうこうするうちに、きれいな月が上がって、海に月光の道。

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見事です。

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そして、オカガニとオカヤドカリたちが、

あちこちで山から浜に下りて来ては波打ち際の方へ。

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お腹に、黒い卵をびっしり抱えています。

波打ち際で水の中に入って、体を揺すった瞬間に、

卵から幼生が孵化して海へと泳ぎ出します。

 

みんながその様子を観察している間に、

Mは野外携帯用の顕微鏡「ファーブルミニ」を準備。

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バケツをひっくり返して即席の実験机にし、幼生をその場で観察しちゃいます!

 

これが、この日に見られたオカヤドカリの孵化したてのゾエア幼生。

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小さいエビみたいなかっこうです。目が大きいね!

オカガニの幼生も観察しましたが、幼生がオカヤドカリよりも小さくて、

写真にはうまく撮れませんでした?残念。

でも、参加者のみなさんには、順番に顕微鏡を覗いてもらいました。

 

結局、夜9時すぎまでたっぷり観察。この夜は、普段よりもカニが

たくさん出てくれたようでした。よかったですねー。

 

参加者のみなさんが解散した後、海岸沿いの道路の側溝を見たら、あぁー …

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オカガニと、

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オカヤドカリが、側溝に落ちてしまっていました。

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垂直のコンクリートは彼らには登りにくく、しかもここの側溝は結構深い。

何とかがんばって登れたとしても、その先は道路で、車に轢かれる個体もあります。

 

これを回避するために「カニさんトンネル」を設置する場所もあるのですが、

岩とか植物とか湿った水路とか、彼らの好む環境をつなげて、

彼らが自然に誘導されるように作らないと、トンネルは利用されません。

カニにもヤドカリにも、案内板は読めないからね。?4seiza04.gif

 

宮城島はまだまだ自然が豊かで、山と海岸の自然の繋がりが保たれているので

オカガニもオカヤドカリもたくさん見られるのだと思います。

自然や生き物たちとの共存の仕方を、もっと丁寧に考えていきたいなぁと

あらためて思った、この夜の観察会でした。

 

ご参加のみなさん、マングローブEEクラブのみなさん、どうもありがとうございました。

来月6日には今度は?サンゴ礁のイノー観察会?もありますね。

どうぞよろしくお願いします!