Mはいま、沖縄県の環境関係の委員を仰せつかっているのですが、
先日、県内ごみ処理およびリサイクル施設の視察があり、行ってきました。
何年も前にやはり見学に行きましたが、その時に思ったのは
「県民の大人の皆さんも、一度はごみ処理場を見学するべき!」
おそらく、ごみやリサイクルに対する意識が変わると思います。
というわけで、見学内容を紹介しますね。
長いよ!
まず、中部3市町のごみ処理を行っているK衛生施設組合。
これが、市民のみなさまが毎日お出しするごみの山です。
この日は処理の都合でたまたま高く積み上げられていた日らしいですが、
それにしても大変な量です。
ごみを出す側は、所定の場所に朝出しておけば、いつの間にか誰かが持って行ってくれる。
目の前から消えるので、ごみを意識する必要もないし、記憶にも残らない。
でも、ごみはもちろん消えるわけじゃなくて、誰かがその後を引き受けてくれている。
制御室。焼却炉や灰溶融の様子をチェック。
資源ごみも集まります。空きびんが青いコンテナに順次入れられて、流れていく先で…
手作業で色別に分別! 白びん(透明)、茶びん、その他びん。
働いていらっしゃるのはシルバー人材さんだそう。
それにしても、手作業の素早いこと。どんどん色別に放り込んでいきます。
これらはカレットに砕かれて、再生びんの原料になります。
以前見学した別の工場でも、ペットボトルをやはり手分別していました。
ペットボトルもホット用など種類があり、結局人の手でないと分けられない。
そして、色や材質を揃えないと、リサイクル原料としての品質が保てない。
こういう再生原料としてのリサイクルは「マテリアル・リサイクル」と呼ばれますが、
不純物や汚れなどの混ざり物があると、原料としての質が落ちて値段が下がります。
手作業で分別する負担も考えたら、資源ごみを出すときはきちんと洗って、
キャップやラベルをはがして出しましょう!
分別されたごみが一時保管されるペース。散らばらずきれいにしてありました。
ペットボトルのリサイクル過程の見本。収集したボトルは別会社の工場で
フレーク状に裁断され、キャップがはまる部分のPP(ポリプロピレン)と
本体のPET (ポリエチレンテレフタレート)に分離されます。材質で比重が違うんですね。
ちなみに、沖縄の工場ではここまでの中間処理しかできません。
このあと、このフレークを本土の工場へ送って、再生PET繊維などに加工されます。
暑い沖縄で、県民や観光客に消費される大量のペットボトルが、
手間や運搬費用をかけて処理されている。
県内で再生できる紙パックや空き缶に比べ、PETのリサイクル経費は高いです。
これが運搬費用のかかる離島ならなおさら。
K衛生施設組合の建物の窓越しに見える、不自然な台形の山…
実は、某最終処分場の現在の姿。要はごみの山。
話によると、戦後すぐに谷にごみを捨て始めた県内最初の最終処分場だろうとのこと。
(たぶん、そのときは米軍が分別なしに捨てていたはず。もちろん復帰前なので
環境基準や法律などなく。)
やがて県内の他の最終処分場も一杯になると、ここにごみが集中し、
許可容量を超えて谷が山になりました。
2003年に、このごみ山を見に来たことがあります。
そのときの様子が次の写真。
ただただ、積み上げられた、ごみ、ごみ、ごみ…。
野犬やカラスまでこの山の上にいました。吹きさらし、もちろん悪臭。
いろいろ問題になって、現在では運営する会社に県の指導が入り、
山の高さの切り下げや、上面への防水シートの設置、側面への緑の吹き付けなどをしつつ、
焼却炉を建設して、少しずつ燃やしているそうです。
なので、以前よりは環境的には改善されています。匂いもだいぶまし。
こういうごみ山を見ると、市民としては会社や行政に文句を言いたくなりますが、
ごみを出しているのは(米軍もあるけど)市民、自分たちなんですよね。
長くなるので続く。