その1の続きです。

次に、自動車と家電のリサイクルを行っているT社へ。

 

トラックの荷台から、円盤形の磁石でスクラップを積み下ろす重機。

磁石の ON / OFF ができる。ちょっとかっこいい。

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ヘルメットをかぶり、まずは家電リサイクル施設へ。

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外には解体を待つ冷蔵庫たちや、

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ドラム型洗濯機たち。寿命、何年くらいなんだろう…。

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家電リサイクル、法律ができて、消費者が払うリサイクル料が高いと思うかもしれませんが、

現場を見たら納得するでしょうか。

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リサイクルの極意は、解体し、部品の素材を見極めて、分別、分別、また分別。

そうすれば、再生原料として利用の道が開ける。

冷蔵庫のプラスチックも種類別、色別に。

 

テレビもブラウン管から液晶に変わり、中はほとんどパソコン。

基盤もコード類も全部ばらして素材別に分けます。

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こういうコード類は、中の銅線を取り出すために、

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手で皮膜を取りはずす…もう本当に地道な作業。

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ものすごい手間なんですね、リサイクルするのって。

メーカーも製品の種類もたくさんあるから、機械的な作業にできない。

まさに人の手で、地道にばらしていく。

工場内はとても整理されていましたが、ばらす作業は金属やプラスチックのほこりが出るし、

決して体に良い仕事とは言えないはず。

しかも製品の方はどんどん新しい素材や仕組みのものが出て来るので、

その度に、どうやったら手際よく分解して再生原料として取り出せるか、

研究と試行錯誤を繰り返しておられるという。

本当に頭が下がります。

工夫を重ねた現在のリサイクル率は、洗濯機が85%、液晶TVが74%だそうです。

(重量か体積か確認しそびれましたが、重さかな?)

 

こういう現場を知ると、物はなるべく長く大事に使おう、と改めて思う。

家電が壊れたら修理するより買い替えた方が安い、っていうのはやっぱり疑問。

 

さて、次は車。

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これも…人の手で1台ずつの作業が続きます。

エアバッグを展開させ(でないと解体途中で爆発の恐れ)、

車内の廃液を全て回収。ウォッシャー液、バッテリー液、エンジンオイル、

ブレーキオイル、ガソリン…使えるものは燃料として工場で利用するそうです。

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それが済んだら、車体の金属以外の部分をはずしていきます。

車が動かないように下側を横からはさみ、上からピンセットで。特別仕様の重機です。

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バンパー、天井のシート、フロントガラス、座席前のプラスチックのパネル…

 

そうしたら、車体丸ごと巨大なシュレッダーでこぶし大に裁断されます。

鉄と非鉄金属を磁石で分けて、それぞれ回収・再利用。

軽いプラ部分は風で飛ばして、シュレッダーダストとして分別回収。

 

この日はそこまで見に行けませんでしたが、たぶん遠目に、奥の黒っぽい山になっているのが

シュレッダーダストだと思う。プラスチックと、座席シートなどの繊維が主です。

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昔は埋め立てごみにしかならなかったシュレッダーダスト、

この会社では固形燃料化して、製鉄のために使っているそうです。すごい!

 

まだ続く。