琉大にいたとき、自分がやりたい卒論テーマが決まっているのだけど、
それにぴったりの研究室が見つからない…って言う学生さんを受け入れたことがあります。
研究対象については、多くの場合は学生さんの方が良く知っています。
彼らが困っているのは、初めて行なう「研究」の進め方と、まとめかたの部分のようです。
そこで、仮説を立てるところから新しい発見までのストーリーが組み立てられるよう、
実験・観察の進み具合を時々聞きながら、研究の進め方をアドバイスすることにしました。

ougigani

 

2:いくつもの答えを推測する。→ 仮説をたてる

研究するテーマが決まったら、「どうして?」「どうなってるの?」思った事について、
「たぶんこんな理由ではないかな…」と言う予想を、10個~20個くらい考えます。

セミなら、○○の木が好きだから、○○の木が一番大きいから、
一番最初に鳴いたセミの所に集まる癖があるから、
魅力的な雌ゼミの所に雄がみんな集まってるから….などなど。
ナマコなら、魚はナマコを餌だとわからないから、
ナマコはプヨプヨして気持ち悪いから、
ナマコは美味しくないから….などなど。

たぶん正しいと思う予想から、ぜったいありえな~いと思うような理由まで、
何でもいいので、できるだけたくさん考えて、記録しておきます。
ここでしっかりたくさん考えておかないと、
本当の理由の発見に行き着けないかもしれません。

新しい発見に行き着くには、1つの仮説を繰り返し確かめるだけでは
なかなか前に進みません。いろんな可能性を試してみる必要があります。
そもそも、世の中で起こっていることは、理由が1つとは限りません。
いろんな理由が組み合わさっているのが、普通です。

いくつもの実験や観察を組み合わせたり、いろんな場所や種類と比べるうちに、
何らかの違いが見えて来ます。その違いがなぜ起こるのかを調べることで、
予想もしなかった理由に向かって、少しずつ近づいていくことができるのです。

ちょっと、ワクワクしませんか?

オリジナルの仮説がたくさんできたら、それを確かめるために
いくつかの実験や観察をはじめましょう。