暴露実験の続きの報告、その3です。撮影は2019年12月11日。あと1ヶ月で、観察を始めてから1年になります。

 雨上がりに撮影したため、プラスチックの表面が濡れており、質感がこれまでと異なります。すみません。

 ポリプロピレンPPの白い荷造り紐は、雨に打たれて切れてしまいました。なお、小型密封容器の蓋(ポリエチレン)同様、塩化ビニルの吸盤も白っぽくなっていますが、これは1ヶ月半の時から濡れると白っぽくなっていたようです。

 発泡スチロールの食品トレーは、残っていた表面の硬い層がさらに剥がれ落ち、底の部分もずいぶん薄くなっています。

 洗濯バサミが入っていたポリプロピレンの袋は、裂けて丸まった所が雨で洗い流されてしまいました。同じポリプロピレンでも、密封容器の本体には目立った劣化はみられません。

 スチロール樹脂の四角いケース、ポリプロピレンならびにポリカーボネートの洗濯バサミには、先月と比べて大きな変化はありません。ポリエステルのネットに包まれたポリウレタンのスポンジも、とりたて変化はみられません。これは、ポリエステルのネットが、雨やカタツムリによる物理的な風化を防ぐのに役立っているからでしょう。

 こちらのグループは、ポリエチレンの白いレジ袋が雨に打たれて壊れ、スプーンの下に溜まっているのがわかります。その他のかけらは周囲に見当たらないので、雨に流されてしまったようです。紫外線と風雨の強い沖縄では、いたるところでマイクロプラスチックが生まれ、川から海に流れ出ていることでしょう。

 ちなみに、ポリプロピレンとポリエチレン以外のプラスチックは、全て水より比重が大きいため、水に沈んでしまいます。蓋が閉まったペットボトルや泡状の発泡スチロールなども、中の空気が抜ければ沈んでしまいます。このため、海に流れ出たプラスチックの殆どは、河口付近から島の周囲のサンゴ礁やイノーなどに、砂と一緒に堆積していることが考えられます。

 折れ曲がるストローが入っていた袋も、折れ曲がるストローも、急にボロボロになってきました。黒いストローは、変化が見られません。

 紙コップの底に、ついに穴が空きました。コーティングのプラスチックも劣化してしまったようです。白いポリプロピレンの蓋も壊れ始め、蓋の周囲に亀裂が入っています。

 PETのカップやボトルには、変化が見られません。同様に、ポリエチレンの袋も変化なし。これらが野外に捨てられたら、分解するまでとても長い時間がかかることがわかります。

 瓶入りのグループは、先月から目立った劣化は見られません。

 ガラスが1枚あるだけで、プラスチック類の劣化にこれほどの差が出るとは、思ってもいませんでした。