7kurashi28.gif?いきもーのは円柱形? まるくーてなーがーい?

鳥も獣も虫も? いきものーは円柱形? (by 歌う生物学・本川達雄先生)

 

シカクナマコって、どこが四角いの?!

…というご質問が某所で上がりまして。

そうですよね、知っていると何も疑問に思わないんですが、知らなければ

「ええっ、ナマコって丸くて長いやつでしょ?!」

そうですよねぇ。

 

というわけで、今日は写真もちょいと大きめにして、ナマコづくしです。

では行きますよっ

 

シカクナマコ。

ご覧のように、輪切りで見たときに四角い形をしている、そう言われれば変わったナマコ。

四角の角の部分に大きなイボイボが並びます。

手触りはビロードのように、けっこう滑らかで気持ちよいです。

本川先生が広めた、「強くにぎにぎするとドロドロに溶けて、しばらく時間をおくと再生する」

ので有名になりました。

でも…みなさんは海で真似しないようにね?!ナマコにとっては大災難ですから??1kao09.gif

 

沖縄の海ではたぶん一番ポピュラーな、ニセクロナマコ。

体は柔らかくてぽってり型。いじめると白い糸(キュビエ管)をおしりからぴゅーっ。

ニセって失礼じゃない!と本人たちは思っているかもしれません。

この辺は、名前を付けた研究者のセンスが問われますねー。

先に○○と名付けられたのがいて、後からそれに似たのが見つかってしまうと、

ニセ○○、○○モドキ、○○ダマシ… 中には○○ダマシモドキ、なんてのも(笑)。

 

えーと、気を取り直して、ニセクロナマコの、口のアップ。

口からたくさんの触手を出して、砂をつかんでは食べます。

もちろん砂自体は鉱物質なのでご飯にならないですが、砂の中に混ざってる有機物、

海藻のかけらとか、他の生物の排泄物とか、たぶんバクテリアとかも含め…そういった

ものを消化して、いわばきれいになった砂をお尻から出す、砂の浄化役です。

ナマコ類の多くはこういった食性で、堆積物食者(detritus feeder)と呼ばれます。

 

海草藻場なら砂地の上にゴロゴロしてますし、サンゴなどの岩陰から

こんな風にならんでご飯を食べていたりします。

 

次はニセがつかない、クロナマコ。

黒くないじゃん!って、この方は、体を粘膜で覆い、そこに砂粒をかぶることで

カモフラージュしているのかな…と思います。この粘膜が所々破れて、黒い点々

模様になるのが特徴です。手でこすれば、これは簡単にはがれて、あなたの手に

黒紫色がにじむことでしょう…。

ニセクロナマコよりも手触りは固いです。

 

サンゴ礁に普通に見られる、どっしりタイプのクリイロナマコと、

 

トゲクリイロナマコ。

 

クリイロの方がなめらかタイプで、トゲクリイロは表面に柔らかい突起が

たくさんついています。だいたいどちらも砂をかぶっているので、背中の砂を

手で払ってあげるとよくわかると思います。

 

あ、砂を食べるタイプのナマコは、下を向いた方の穴が口で、上を向いた方がおしり。

で、この方々は、おしりに注目ー。

5つの歯が生えているの、分かりますか。

肛門に生える歯…肛歯(こうし)と言います。

なぜ、おしりに歯が…???

 

聞いた説では、ナマコカクレウオ、という魚がおりまして、

ナマコの肛門から入って腸の中で暮らすんです。

共生なのか、寄生的なのか、私はよく知らないんですが。

で、ナマコはこれが入らないように、歯でガードしている…という話。

ほんとのところはどうなんだろうか。

肛歯をもつナマコは一部で、みんなが持っている訳ではないんですよねー。

 

 

ナマコづくし・その壱はとりあえずこの辺でー。

キュビエ管や、ナマコと五角形のお話もしなくちゃね。

次回に続く!

 

P.S. 本川達雄先生が、来週19日に沖縄県立博物館へ講演に来られます!

お題は、「生物多様性は大切です」

このストレートなタイトルが、いいなぁ。はい、大切です!

新曲が聴けるかしら?7kurashi28.gif