何だか仕事が重なると更新が遅れがち…
あ、このブログは日時設定自由自在なので、後からの報告でも、
イベントがあった日の日付で書く事にしてます?あしからず!
とか・・・言い訳してないで、その弐に行きましょうっと。
ナマコですよ、ナマコ。
食べるのはお好きですか?
これはハネジナマコ。沖縄では食用種です。
背中は灰色で結構固めの、どっしりタイプ。
海草藻場でよく見る、クロ・ニセクロ以外の種類と言えば、
まず、フタスジナマコ。
あ?ちょろっとキュビエ器官出しちゃいました?
だいたいいつも砂をかぶっているので、そーっと背中を払って写真を撮ろうと
したんですが…ごめんねー。
チズナマコ、とうちでは思っている種。
だけど、図鑑のチズナマコって、みんな黄色っぽい無地。
ちょうどフタスジナマコの茶色い帯がない感じ。ゴマフナマコという名もあるらしい。
この、背中の模様が地図っぽいのがチズナマコ、なんじゃないのかなぁ…。
無地チズナマコの学名は?Bohadschia vitiensis とあるんだけれども、
おそらく上の写真は?B. marmorata の方。和名と学名、混乱しているんじゃないのだろうか。
それともウチの勘違い?…ナマコの分類専門の方に聞かないとー。
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2021.5.8 上記記述について、追記修正します!
Bohadschia の仲間は色彩変異に富み、分類が混乱していました。
DNA研究などで分類が整理され、どうやら図鑑に修正が必要です。
現在の私の理解では、
Bohadschia vitiensis フタスジナマコ(ふたすじ&無地タイプあり)
※ bivittata はシノニム(=同物異名)
Bohadschia marmorata チズナマコ(上の写真)
で良いようです。
「ナマコガイドブック (本川他、2003)」だと、
p.116の下、フタスジナマコの学名が vitiensis で、写真は B. koellikeri (和名は不明)、
p.117の上、チズナマコの学名が marmorata で、写真はフタスジナマコ無地タイプ、
p.117の下、ニセジャノメナマコの学名は sp. → ocellata
ということかなと。
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初めて見ると、おぉっと模様に驚くのが、ジャノメナマコ。
で、これらフタスジ・チズ・ジャノメがみんな同じ?Bohadschia 属の仲間。
みんな、キュビエ器官の出し方が似てる…白く太いのを、おしりから
束になって出すんですよねー?
一度、じっと観察していたら、出しかかったキュビエ器官を、引っ込めたのがいました。
おぉ、引っ込めることもできるんだ…
で、このキュビ器官で何ですか?ともよく聞かれるのですが、あれはナマコの飛び道具。
コラーゲンでできた丈夫な糸で、吐き出すときに、糸の表面の細胞が壊れて粘るように
なるのだとか(by 本川先生のナマコガイドブック)。
いやぁもう、服やマリンシューズについたら取れないのなんの。
一度、この糸が絡みに絡んでもがいている、フトユビシャコを見つけた事があります。
糸を外してあげようかと思ったけれども、フトユビシャコには強力パンチと
隠しナイフがあるので、不用意にさわるとこちらがキケン!
ネバネバ糸はゴムのようでなかなか切れず、とっても丈夫。その威力を見せつけられました。
さて、ナマコで長~いのといえば、もちろんオオイカリナマコ。
ナマコはみんな、体の中に骨片という小さな骨のカケラをもっていて、
この形が千差万別。ゴーヤー型とか、お菓子のスピンみたいな型とか。
で、このオオイカリナマコは、骨片が大きな錨型なんですね。
やわらか?い皮膚を指でそーっとなでると、チクチクッとした感触でひっかかります。
これ、錨の尖った部分が引っかかってくるんです。
だから、こんなに体が柔らかくても誰にも食べられないのかな。食べたらチクチクだものねぇ。
昔…友人がいたずらをしまして。
オオイカリナマコを、結んでみたんです。
そうしたら…やはり嫌だったらしく(ごめん?)、体の中の水分をぷーっと送り込んで、
上手にぷるぷるんとほどけていきました。
さて、小型のも行きましょうか、リュウキュウフジナマコ。
ちょっと水から出した写真なので、表面の柔らかいとげが寝ちゃってますが。
この写真にしたのは、そう、巻貝がいたから。
棘皮動物に寄生するハナゴウナ科の仲間。○○ヤドリニナ、という名前が多いです。
みんな似てるし小さいしで、正確な種類は分かりませーん。
岩礁の磯の石をめくると、うぉぉっ!とたくさんいてびっくりするのが、これ。
ムラサキクルマナマコ。
よく、人差し指くらいの大きさのが、ゴチャっとかたまって隠れています。
管足とか疣足がなく、体の上下が分からない。触手は元気に動きます。
クルマナマコの名前は、やっぱり骨片の形から。
こうして見ると、ナマコにもずいぶんいろいろなスタイルがありますね。
それでもって、棘皮動物の仲間、ってことは5角形 ★ の仲間。
どこが五角形かって?…
それは、ナマコを輪切りで見たとき!
体の作りが、ちゃんと5角形…5放射相称になっているんですよね。
ナマコは実は5角柱、それも、背中側が2角、お腹側が3角の向き。
その壱の、トゲクリイロナマコの肛歯の並びを確認していただければ分かるかと。
じゃぁ、シカクナマコは?…
で、ふりだしに戻る。
面白いなぁナマコの世界!
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