伐採される以前の、国場川のマングローブ林
マングローブとは、河口や海の中にできた森や林のことです。
マングローブ林に生える植物のことを、マングローブ植物と呼びます。
大きなマングローブ林をつくる植物は主にヒルギの仲間で、
沖縄島ではメヒルギ、オヒルギ、ヤエヤマヒルギ、の
3種類が多く見られます。地球温暖化の影響か、故意に植栽されたのか、
最近では沖縄島でもヒルギダマシが見られるようになりました。
暖かい八重山では、さらにたくさんの種類の
マングローブ植物が生育しています。
植物の種類によって、塩分や水分の耐性は異なります。
このため、自然のマングローブ林では、陸から海に向かうにつれて
植物が変わって行くような帯状分布を見ることができます。
ヒルギ科
オヒルギ Bruguiera gymnorrhiza
幹の周囲を、太くて折れ曲がった膝根(しっこん)が取り囲んでいます。
葉は楕円形で、先端は尖ります。
蕾や萼は赤いのが特徴。
木に付いたまま種子が発芽して、栄養をもらいながら胚軸が伸びている状態。
メヒルギ Kandelia candel
幹の周囲には、膝根も支柱根もありません。
幹の基部が薄い板状に広がって、数枚の板根となる。
種子が発芽して胚軸が伸びています。葉の先端は丸いのが特徴。
白い花弁の様に見えるのは5枚の萼。花弁は、白い糸状です。
上から順に、黄色い萼、緑の果実、茶黄色い子葉、緑の胚軸。
成長すると、発芽した胚は果実の中から抜け落ちて、子葉を広げます。
ヤエヤマヒルギ Rhizophora stylosa
幹の下の方から四方に支柱根が伸びるのが特徴。
葉は楕円形で、先端に針の様な突起があります。
花びらのように見える白い三角形は、萼。縁がけば立った花弁は4枚。
種子が発芽して、茶色い果実から胚軸が伸びています。
胚軸が長くなると、その表面には顆粒ができます。
続く…